子供の近視進行予防（リジュセアミニ）

近視とは？

　近視とは、遠くを見る時にピントが網膜より前に結んでしまい像がぼやける状態です。近年、全世界で近視の有病率が増加し、人類の約1/3が近視だと言われています。一般的に近視が始まるのは学童期（6歳から12歳頃）であり、近視の進行は眼球の奥行の長さ（眼軸長）が伸びてしまうこと（伸展）が主な原因です。

 

近視が進行する危険因子

・遺伝的な因子（両親が近視だと5～6倍、片方で2～3倍、近視になりやすいと言われています。）

・近くをみる作業（読書や勉強、スマホ、ゲーム等）が長い。

・屋外での太陽の光の下での活動が少ない。

 

　近視は発症年齢が低い程進行しやすく、強度近視になってしまうと、緑内障、黄斑変性症、網膜剥離等の網膜の伸展による病気の発症リス クが高まります。過去の研究（多治見スタディ）では、視力0.05以下となる重篤な視力障害の原因疾患では、近視性黄斑変性がもっとも頻度の高い疾患となっています。

　近視進行は小児期に主に起こるので、成長期に少しでも近視進行を抑制することが重要です。

 

小児の近視進行の予防

 

①低濃度アトロピン点眼薬投与

　最近の研究で低濃度のアトロピン点眼薬を1日1回点眼することで近視進行抑制効果があることが分かってきました。海外の論文では、副作用が少なく十分な近視進行抑制効果が得られることが数多く報告されています。 2015年のAAO（米国眼科学会）では、未治療群の小児と比べ0.01％アトロピン点眼薬投与群では近視の進行を約60％抑制できるとの報告がありました。

　当院では低濃度アトロピン(0.025%)点眼薬(商品名：参天製薬リジュセアミニ）を取り扱っております（自由診療になります）。
リジュセアミニ処方をご希望の場合は月・水・金曜日に受診をお願いいたします。
（上記日程での受診が難しい場合はお電話でご相談ください）

（※院内在庫がない場合は受診後お待たせする可能性がございますのでご了承ください。）

 

②クロセチン含有成分の摂取

　屋外での太陽の光の下での活動が少ない子供ほど近視になりやすいことが分かってきました。最近の慶応大の研究で、太陽光の中のバイオレットライト（可視光、360～400nm）が「EGR-1」遺伝子に働きかけることによって近視の進行を抑制している可能性があることが発見されました。
「EGR-1」遺伝子を高める食品成分を探索したところ、群を抜いて発現量を高めたのが「クロセチン」でした。
クロセチンとはクチナシの果実やサフランに含まれる天然の色素です。最近の研究で「クロセチン」含有成分が近視進行抑制に関わる「EGR-1」遺伝子の発現を増やし、近視の原因となる眼軸長の伸びを抑制することが分かってきました。

　当院ではクロセチン配合「クリアビジョンジュニアEX」（医療機関専売商品）を取り扱っております。購入には診察（保険診療）が必要になります。
（在庫がない場合には注文、後日お渡しとなりますのでご了承ください）
クリアビジョンジュニアEXご希望の場合は月・水・金曜日・第4土曜日に受診をお願いいたします。